大人と子どもでは、歯の強さが異なることをご存知ですか? 実は、乳歯は永久歯に比べてエナメル質や象牙質の厚みが半分程度しかなく、再石灰化する力も弱いもの。そのため、お子さんの歯はむし歯になりやすいうえに、一度むし歯にかかるとどんどん進行してしまうのです。
お子さんの歯をむし歯から守るのは、親御さんの大切な役目といえます。しっかり管理して、歯の健康を維持してあげましょう。
「決まった時間に食べる」「食べ過ぎない」など、おやつのルールを決めましょう。おやつをだらだらと食べ続けていると、お口の中はむし歯ができやすい状態になってしまいます。
糖分はむし歯菌のエサとなり、歯を溶かす酸を生み出すもとになります。糖分がたくさん含まれる、チョコレートやキャラメル、あめ、グミなどはできるだけ控えましょう。できればノンシュガーや、キシリトール入りのおやつなどがオススメです。
食後30分経過すると、むし歯菌は活性化して歯を溶かす酸を生み出し始めるといわれています。食後には、できるだけ早く歯みがきをするよう心がけましょう。外出時で歯みがきが難しいときなどには、口をゆすぐだけでもOKです。
生まれたばかりの赤ちゃんのお口には、むし歯菌は存在しません。実は、その後お子さんがむし歯になってしまうのは、ご家族のお口からむし歯菌がうつることが原因。これを「親子感染」といいます。
親子感染は、赤ちゃんのそばにいるご家族が、自分のおはしで食べものを与えたり、同じコップやスプーンをつかったり、また、顔を寄せてキスをしたりすることで起こるもの。お子さんにむし歯菌をうつさないためには、お子さん専用の食器をつかうなどして原因を取り除くことが必要です。
また、そばにいる大人のお口の中から、むし歯菌を減らしておくのも大切なこと。赤ちゃんが生まれる前に、きちんと治療を受けるようにしましょう。
「食育」とは食べることを通じて、お子さんに正しい「食」についての知識や、正しく選択する力などをつけてあげるために大切なことです。また、お子さんのお口の健康を守るためにも重要になります。
バランスのよい食生活を送ることは、正しい成長を助けて健康を保ち、生活習慣病を招かないようにするために大切なこと。この習慣づくりは、お子さんのころに始まっています。毎日バランスのとれた食事をとることで、お子さんの身体や歯、また心も健やかに成長することができるでしょう。
食事では、食べものの味や温度も大切ですが、「咬むこと」もとても重要です。やわからいものばかり食べていると、咬む力が伝わらずに顎が成長できなくなり、歯がきちんとならぶためのスペースが足りずに歯ならびが乱れる原因になってしまいます。また、食べものがしっかり咬みくだかれずに、栄養の吸収を妨げてしまうことにもなるのです。
歯ごたえのある食べものを与えること、一口一口しっかり咬んで食べるよう注意することなどによって、お子さんの正しい成長へ導いてあげましょう。
お子さんのお口の中の状態は、成長段階によってまったく異なります。そこで一人ひとりの成長のスピードや、歯の生え方に合わせた歯みがきの方法を指導します。親御さんは、しあげみがきのコツを覚えていってください。
歯質を強くしむし歯菌への抵抗力を高める効果を持つフッ素を定期的に歯の表面に塗布して、むし歯を予防します。ごく初期のむし歯であれば、これで治癒が見込めるケースもあります。
奥歯には深い溝があり、そこに食べカスがたまって、みがき残しが出ることでむし歯になりがちです。そこで、あらかじめレジン(歯科用プラスチック)で溝を埋め、むし歯を予防します。